一生食いっぱぐれないための エンジニアの仕事術|1章を読んで

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エンジニアほど基礎が大事な仕事はない

序章に続いて、1章を読んだ感想や印象的だった部分をここに残したい。この章のタイトルにある通り、「基礎」について説明されている。一般的で、誰もが簡単に想像できるような内容も多いのだが、ここがあなどれない。

私自身、スポーツに長く熱心に打ち込んでいたこともあり、基礎の大切さは身に染みて理解しているつもりだ。スポーツは、時に複雑なルールと、それに対応した戦術や動作を用いて、対峙する相手、あるいは自分自身と日々向き合わなければならない。

しかし、面白いことに、これだけ多種多様なスポーツがこの世に存在するにもかかわらず、根幹の部分ではどこか似通ったものがある。私はこれまで、そんな共通点を感じる瞬間を何度も経験してきた。

この章を読んで、真っ先に感じたのはそのことだった。章では、まず言葉の定義を明確にしてから本題に入っていく。1つ目に印象的だったのが、「仕事ができる」の定義だ。

以前、先輩エンジニアにこう質問したことがある。

「仕事ができるってなんですか?」

その先輩は、「ミスをしない」「納期を守る」といった具体的なイメージを私に伝えてくれた。この著者は、こう定義している。

「混沌とした情報やものごとを整理して道筋をつけ、難しい問題を解決すること」

また、「答えのわからない仕事」を任せられる人材とも書かれていた。先輩の説明も間違っていないし、その通りだと思う。一方で、より本質を突いている著者のこの言葉には大きく頷いた。

と同時に、「どうすればそれができるの?」という疑問が湧いた。そこで、すかさず著者の文章に目を運び、答えを探した。

発散思考が必要だと、著者はいう。

「課題を細かく腑分けしてひとつの仮説を立てて検討する」

また、努力は必要かということについても、以下のようにきっぱりと書かれていた。

「努力は必ず報われる」という甘いものではない。だからといって、努力を放棄すれば、何も生み出すことはできない。

努力は最低条件として必要なのだと、改めて感じた。また、柔軟さも同じように価値のあるものだ。ものごとに柔軟に対応する力や、自分で考える力を身につけるためには、職場にすぐに溶け込み、独り立ちして仕事ができるようになることも重要なのだと思う。

この章では、会社が行う入社試験では、主に以下の3つの順に評価がなされると書かれていた。

  1. 基礎学力
  2. 社会人基礎力
  3. 専門知識

学歴に目立った成果を出してこなかった私にとっては、基礎学力や専門知識にそれほど自信があるわけではない。あえていうならば、スポーツ経験と2年の教員経験から得られた社会人基礎力だ。

エンジニアである以上、一定の基礎学力があることを前提に、難しい課題に対処しなければならない。本書では、専門知識をどのように習得するのかについても少し触れていた。専門知識は決して、学校の卒業論文や専攻のことを指しているわけではない。日々の仕事を通して習得するものだ。

「ほんとうの仕事」というのは、会社や上司に与えられるものではなく、自分で見つけていくものだ。

著者はこのことを、以下のように表現していて面白いと思った。

学校の勉強=パッケージツアー

会社の仕事=個人旅行

パッケージツアーは比較的安全で、定められた予定や時間に沿って進めば、ある程度のリターンが見込まれるものだ。

一方で、個人旅行は自分自身で計画を立案し、順序や手段を選択して実行する。実行する中でも、うまくいかないことがほとんどなのだ。さらに、「エンジニアは広い教養がなければならない」とも書かれていた。

ここでいう教養は、単に数学ができるとか、製図の知識があるといったことではなく、もっと幅広い教養のことだ。一見、無駄に見える勉強や学びも、自分自身の引き出しとして持っておく。

IT業界を筆頭に、変化の目まぐるしい環境の中で、最先端の知識について著者は以下のように表現していた。

「最先端の知識があれば、即戦力として役立つように思えるかもしれませんが、すぐに役立つことは往々にして、すぐに役に立たなくなります。」

個人的に、とても印象的な一文だった。

また、ここまでを読んで、イチロー選手の「結局、無駄なことは無駄じゃない」という言葉を思い出した。急がば回れとは、よく言ったものだ。知識を持っていて無駄なことは1つもないのだと思う。ただ、注意したいのは、知識を持つだけではなく、それが整理されていることが重要だと著者はいう。整理されていない知識は、いざという時に力を発揮できない。これは想像に難くない。

では、エンジニアとして成功したいのなら、若いうちからさまざまな分野についての知識や教養を深め、引き出しを増やしておくこと。これこそ、本章で言いたいところなのではないかと受け取った。次に、では具体的に何をすればいいのか。

主体的に仕事をして専門知識をつけると同時に、できることとして、エンジニアの文章と会話について説明されていた。

エンジニアの文章

・1つの文章で伝えたいことは1つだけにする
・1つの文章を短くする
・定量的な表現にする
・用語は定義を明らかにして用いる
・文書を書き上げたらチェックする

エンジニアの会話

・まず結論を述べる
・質問に可能な限りYes/Noで答える
・問題が起きたら早く伝える

上記の8つのことは、明日からでもできることだ。

この1年間を振り返ってみると、できている部分と、まだできていない部分があることに気づいた。

私の元プロジェクトである運用保守の現場でも、コミュニケーションはとても大切だと感じている。何が起きているのか状況を把握し、根拠をもとに正しく情報を整理する。そして、必要であればチームに連携する。

私自身、このマルチスキルの部分については、プロジェクト参画以前と比べて成長を感じている。一方で、まだまだ「言い切る」「定量的に説明する」「結論を述べる」といった部分は未熟だ。

特に、情報が不足している中でのコミュニケーションでは、どこか他人事のように、自信がなさそうになってしまう。当然のことではあるが、そういう場面でも、

「今は〇〇まで理解して、このように考えています。この認識で進めて問題ないでしょうか」

といった意思表示をすることが重要だと思う。しかし、それがうまくできないことも少なくない。

私の性格や会話の傾向を考えてみると、あまりダイレクトに物事を人に言うタイプではない。これは自分のキャラクターが関係していると思う。ただ、仕事は仕事だ。よいエンジニアになりたいのであれば、プロフェッショナルとして、定量的に考え、論理的に伝える練習はこれから必須だと感じた。

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